昨今、地震・台風などの自然災害が猛威を振るっていますね。つい最近では台風による川の増水で堤防が決壊し、多くの家が床上浸水被害に遭いました。
今のところ私自身は浸水の被害に遭った事はないのですが、万が一被害にあったらどうすればいいのでしょうか?今のうちに考えておけばいざという時に役に立つと思い調べてみました。
床上浸水とは?
消防組織法という規定の中で、災害に関する報告方法の内容として下記内容が書かれています。
「床上浸水」とは、住家の床より上に浸水したもの及び全壊・半壊には該当しないが、土砂竹木のたい積により一時的に居住することができないものとする。
建築基準法により床の高さを45cm以上と定めていることから、一般的にはだいたい浸水50cmで床上浸水になるケースが多いようです。
床上浸水したらどうする?
木造戸建て住宅の対処法を調べました。木造という事であれば木造アパートも同じ方法になるかと思います。
排水
今はベタ基礎や床下がコンクリートの場合がほとんどだと思いますので、床下に水が溜まってしまいます。
まずは床下に流れ込んだ泥水を排水します。放置していると強烈な異臭がしてくるそうなので出来るだけ早めに排水しましょう。
なお、風呂用では排水量が足りないため排水量の多い工業用の排水ポンプを使用する必要があります。
洗浄と乾燥
排水しきれなかった泥水や、周囲に付着した泥を水道水やブラシなどで洗い流します。
また、流しきれない泥水はちり取りや新聞紙などで取り除きましょう。
綺麗になったら急いで乾燥させましょう。ただし、ヒーターなど熱を加えてしまうと木材が歪む原因になるので使用しない方がいいです。使うなら扇風機を使用しましょう。
床下換気が機能していない場合や床下点検口がない場合、畳下の床板やフローリング床をめくって乾燥しやすくさせる必要が出てきます。
消毒
しっかり乾燥出来たら、消毒を行います。壁面や床、家財道具には10%塩化ベンザルコニウムというものを使用します。この薬剤10㎖に水を加え1ℓにして希釈し使用します。
布などに浸してよく拭きます。噴射器使用する場合は濡れる程度に噴霧し、風通しをよくしてそのまま乾燥させます。
家具類も同様に処置
浸水して泥水に使ってしまったものは、洗浄や清掃を行い消毒しましょう。
洗える物(食器・調理器具等)は洗い流し、洗えない物(食器棚・冷蔵庫等)は汚れをキレイにふき取りましょう。
次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤でも可)を食器類の消毒に使用します。消毒液に5分以上浸し水でよくすすいで乾燥させましょう。
作業時の注意点
清掃作業中の怪我予防(手袋着用・出来るだけ肌を隠す服装で作業)
ほこり吸引の防止(マスク着用・ドアや窓を開けしっかり換気)
感染症防止(清掃後の手洗い・キズ口の消毒)
病気等にならないよう、注意しながら作業を進めましょう。消毒用アルコールを使い、石けんで良く洗った後よく水分をふき取ってから消毒して感染予防に努めましょう。
厚生労働省が出している資料を貼っておきます。下記リンクにて詳細な使用方法が記載されているので参考してみてください。
自分で作業することが困難な場合は?
専門業者に依頼しましょう。ただし、すぐに作業してもらえるかは分かりません。仮の住まいを確保するなど、長期間家には戻れない事も想定しておかなければいけないでしょう。
床上浸水対策
そもそも床上浸水の被害に遭わないためには、どのような対策があるのでしょうか?国土交通省で作成された資料より説明します。資料では絵も載っているので、是非一度参照してみてください。
被害の可能性を知る
- 自宅周辺で想定される浸水やその他の被害の大きさを、ハザードマップなどで確認する。
国土交通省ハザードマップポータルサイトで閲覧できる防災情報
- 浸水想定区域図
- 洪水ハザードマップ
- 道路冠水想定箇所
- 事前通行規制区間
- 緊急輸送道路
高床式にする
- 柱等により床面を高い位置に設けるピロティ構造や、鉄筋コンクリート造の基礎を高くする構造により、想定される水位よりも床の位置を高くする。
地盤を高くする
- 敷地全体に盛り土を行い、周辺よりも家の地盤を高くする。
- 必要に応じて、沈下または崩壊が生じないよう締め固め、鉄筋コンクリートの擁壁を設ける。
防水壁で家を囲む
- 住宅の周囲を防水性のある塀で囲むことにより、敷地外からの浸水を防ぐ。
- 開口部は陸閘※により住居への浸水防止を図る。
*陸閘:堤防の役割を果たす開閉可能な門扉。個人住宅では塀の開口部における防水性の門扉を指す。
外壁を耐水化する
- 建物自体を防水性のある建材などで囲むことで、建物への浸水被害を低減させる。
- 玄関等の出入り口にも止水板※を取り付ける等の耐水の工夫が必要。
- 木造住宅等自重の軽い建物等では、水位上昇により生じる浮力で浮き上がらないよう、基礎との接合を強化する必要がある
設備機器を守る
- コンセントを高い位置に設置する。
- 1階と2階のブレーカーを分けることで、2階の停電を防ぐ。
- エアコンの室外機や給湯器などを想定される水位より上に設置する。
まとめ
浸水被害はやはり川沿いや海沿いで被害に遭う危険が高いと感じます。自宅や収益物件など建物の建築を考えている方は、ハザードマップを事前にチェックしておく必要がありそうです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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